引き続き戯言×復活の復讐嫌われ。
※戯言キャラ全員転生設定。戯言・人間シリーズ全員生まれ変わってから死んでません。
夢主設定。
井伊×××
2重人格者。女。
1人は戯言遣い、1人は
白雪鈴。
基本的に戯言遣いが主人格で鈴が副人格。
見た目は髪の長い、いーちゃんの女装版。
ツナたちと関わるようになって鈴が主人格として出てくることが多くなる。
ぶっちゃけ急に非公開にした紫苑の設定ですが、読んでいる人いないと思うので。
萌太、好きです。
捏造沢山放り込みますよー。
綱吉 side
転校生の、石凪萌太くん。
タレ目で黒い前髪を垂らしていて、脚が長くて胴は細い。均整のとれたいかにも敏捷そうな体型。
血も凍りつきそうなほどの美少年で、顔は「綺麗」に限定すると雲雀さんより上だ。
独特の雰囲気に、その美しさに、誰も言葉が出なかった。
「京都から来ました、石凪萌太です」
綺麗な唇がゆるく弧を描く。
石凪くんがいる場所だけ、空気が違った。
「石凪の席は…ああ、1番後ろがあいてるな。そこに座ってくれ」
担任の言葉に、石凪くんは鞄を肩にかけ直しながら返事をして席の方へと足を伸ばす。
1番後ろは横の列に誰もいない。1つはみ出したようにぽつんとあるだけ。けど、窓際で1番日当たりが良い。
そして、その席は俺の後ろだった。つまり、石凪くんから見て斜め前はあの井伊の席。異臭が漂うそこを、石凪くんがどう思うか。分かりきったことだけど、嫌な思いをするに違いない。
……聞かれたらどうしよう。
俺の席の方まで近づいた石凪くんは、吃驚したような表情で俺の席と井伊の席の間で足を止める。が、それも一瞬ですぐに席に着いた。
そりゃ、こんな机を見て驚くのも当たり前だろうな。
「石凪です、よろしくお願いしますね」
「あ、お、俺、沢田綱吉。よ、よろしく…!」
ハズ!滅茶苦茶どもった!!
石凪くんはにこりと微笑むだけで何も言わなかった。あまりに綺麗すぎて言葉が出ない。
HRが終わると、石凪くんの周りに人だかりは、出来なかった。皆、住んでる世界が違う、そう思ったんだろう。
その中、唯一。彩花ちゃんは少し戸惑ってから、思いきったように石凪くんの席に近付いた。本を読んでいた石凪くんに、彩花ちゃんの影が出来て顔を上げた。
長めの黒髪が、さらりと揺れる。
「あたし、平田彩花!よろしくね…!」
「平田、さんですか」
栞を挟んだ石凪くんは本をぱたんと閉じて、微笑んだ。
「石凪です、よろしくお願いしますね」
「彩花でいいよぉ?」
「いえ、僕人見知りが激しくて。すみません」
「そっかあ、分からないことがあったら何でも聞いてね!」
「では、1つ。」
石凪くんの言葉に、彩花ちゃんは顔を輝かせる。優しいなあ、彩花ちゃん。そんなことを思った束の間。
「――――――――さい」
「…えっ?」
最後しか聞き取れなくて、聞いていた面々は首を傾げた。
「ああ、すみません。別のことを考えていて、次の時間は何の授業ですか?」
「えっと、数学だよ」
「そうですか、ありがとうございます」
それだけだった。
すぐに机から数学の用意を出して教科書をぺらぺら捲る石凪くんに、彩花ちゃんはきょとんと目を瞬かせる。
「萌、太くん…?」
それを遮るように。
ピンポンパンポーンッ
校内放送の合図が流れた。
《教員、生徒一同に連絡します。緊急全校集会を行いますので体育館へ移動してください。繰り返します、緊急全国集会を………》
誰か忘れたけど先生の声。
いきなり、全校集会?
「ああ『来た』ようですね」
「え?」
がたり、席を立つ石凪くん。
笑顔を浮かべていて、その笑顔は心なしか楽しそうだった。
「平田さん、体育館まで案内していただけますか」
「え、あ、うん!こっちだよお」
それに反応したのは獄寺くんだった。
「てめえ、何彩花に命令してんだ!」
「まあまあ、落ち着けって獄寺」
宥める山本、ビビる俺と彩花ちゃん。石凪くんは特に反応することなく、表情を作らなかった。
「俺、山本武。こっちは獄寺隼人、よろしくなっ」
その無言を、山本は見ず知らずの人間が止めたからと思ったらしく、自己紹介を始めた。
石凪くんはよろしくお願いします、と微笑むだけだったけど人見知りだって言ってたからそうなんだろう。
――――…
体育館はざわめきが絶えない。
何事かと皆首を傾げていた。もちろん、群れるのが嫌いな雲雀さんはいない。
壇上に上がった校長は咳払いをして、マイクに口を近付けた。
「えー、京都との交流を深めるために、ある中学校と交換留学生を実施することになったことは先日担任の先生の方から聞いていると思います。」
ああ。と納得した。
井伊が死ぬ少し前、交換留学生の話が出てうちの学校からも生徒会の人たちが行くことになったとか。
京都、と言えば石凪くんも京都だったな、と心の隅で思った。
「来週を予定していましたが急遽、今日から実施することになったため、交換留学生を紹介するために全校集会を開きました」
今日から。その言葉に全生徒がざわめく。
緊張と期待と好奇心。そんな感じのざわめき。俺も、どんな人が来るんだろうと期待していた。
壇上に立ったのは青い髪に青い目の背の低い女の子。
「玖渚友さんと、」
隣に立っていた石凪くんがす、と動いた。人混みを難なく掻き分け、壇上に上がると玖渚さん?の隣に立った。
「石凪萌太くんです」
え、石凪くんも!?
きょとんとする俺たちのクラス。
「思ったより、早かったですね。友姉」
壇上で、真っ直ぐ前を向いたまま石凪くんがそう言った。…いや、言ったような気がした。半分以上口パクだ。
そこまで大きい声じゃなかったけど、前列にいたから聞こえたし、口元が見えたのからなんとなく分かったのかも知れない。
「玖渚さんと石凪くんは2年A組に入ることになっています」
校長の言葉は、俺たちに衝撃を与えるのに十分だった。
が、その後、玖渚さんが小さく口を開いていた。
「当たり前だよ」
―――――のためだもん。
玖渚さんが何を言っているのかは良く聞き取れなかった。
会話の不理解、会話の疑問。
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