今回の問題を受けて先に参議院の政治倫理審査会に出席した自民党安倍派の世耕 前参議院幹事長は、「おととし3月に安倍元総理大臣らとキックバックの扱いを話し合ったのではないか」と問われたのに対し、「私のスケジュール表にも記憶にも残っていない」と答えました。

これについて世耕氏は29日、記者団に対し、スケジュールを改めて精査した結果、おととし3月2日に安倍氏、細田前衆議院議長、西村前経済産業大臣と自身の4人が衆議院議長公邸で打ち合わせを行っていたと明らかにしました。

そのうえで、この年の夏に行われた参議院選挙の候補者調整に関する打ち合わせだったと説明し、「日程表が出てきてテーマが書いてあったので『この時はそういう話し合いがあった』と記憶が呼び戻された。派閥のパーティーについては全く議論していない」と説明しました。

また、記者団からこれまでスケジュールを確認していなかったのかと問われ「パーティー券に関わる部分ということでやっており、リストアップには入ってこなかった」と釈明しました。

さらに審査会での答弁との整合性を問われ「全く間違っていない。議員会館の安倍氏の事務所で3月に派閥のパーティー券について打ち合わせをしたかという質問だったので、この打ち合わせは該当しない」と述べました。

一方、キックバックが続いた経緯に森 元総理大臣が関係したか問われたのに対し「そもそも還流に関与していないので誰がどう関与したか全く知る立場にはない」と述べました。

自民党安倍派の西村 前経済産業大臣は国会内で記者団に対し、おととし3月に安倍元総理大臣、細田前衆議院議長、世耕前参議院幹事長と4人で打ち合わせを行ったことを明らかにしました。

一方で「参議院選挙の打ち合わせであり、派閥の資金の話は一切していない。還流について全く話していない」と述べました。

また、党から聴取を受けた際、この打ち合わせについて説明したのかを問われ「私は聴かれていない」と述べました。

立憲民主党の泉代表は、東京都内で記者団に対し「おととし3月に会合があったなら、これまでに説明する機会はいくらでもあったはずだ。みずから語らずに、隠せなくなって初めて語るのはこれまでうそばかりで、都合のいいことしか言っていなかったということだ。信頼に値しない政治家だ」と述べました。