マークスの過去のお話です。時間軸は、ジクフリード片手に修行していた頃のはなし。ジークベルトが最後にでます。
私は、今ジークフリートを背に家出同然で修行の旅に出ている。ずっと夜しかない自国と違い世界は、広い。白夜のひとの往来を見た。賑やかで親切な人が多かった。砂漠での野宿もした。それが修行の中での体験できないことだった。
飛竜の子がマークス目掛け飛んできた。飛竜の子が口をガバッとあけると筒が入っていた。筒をあけると中から長女であり妹のカミラからの手紙とレオンからの手紙が入っていた。
カミラの内容の手紙は、末妹のエリーゼがしゃべることができたこと。体調に気を付けるようにと気遣うもの。弟のレオンの内容は、家に帰る時は、手紙でも出せとか顔を出さないと忘れちゃうよと脅し文句のあるの短い内容。
「マークス様そろそろ夕飯の時間ですー。」
宿屋の宿堂の客がじろじろとマークス一行を見た。
「ねぇおじさん。暗夜の人。悪い人?」
男の子がマークスに声をかけた。
「コラッ!失礼。」
子供を慌ててマークスから離そうとする母親。ひそひそとマークスを見ながら話す客が何人もいった。
「お前さん暗夜の第一王子マークス様かい。」
老人がマークスに近づいて声をかけた。
「あぁ。そうだ。今は、剣の旅をしている。ある試練を受けると強くなるという場所を探している。」
「それならこのまちの高い山が目指しなさい。あの場所には、「虹の賢者」が住んでいる。「虹の賢者」なら強さを与えられるぞぃ」
「そうか行ってくる。」
「あの人がガロンの。恐い。」
「おじいさん。あの場所に生きて帰れる所じゃないですー。」
「ふぉふぉふぉ。かみさんまた来るぞぃ」
宿屋を出て虹の賢者のいるところへ目指す。
「見えました。大きな塔ですねー。また上に行かないといけませんね。」
「山登りしたあとに建物でまた登るとは、きついな。」
「ジャン、ダディは、外で待ってもいいだぞ。」
「いいえ。マークス様我らは、大丈夫です。」
塔の中には、生命を感じない別の兵士達がいた。三組になりはぐれないように虹の賢者のいる部屋へ目指す。
「見事だ四人目の若き勇者よ。」
幻影兵の隊長格を倒すと他の幻影兵が姿を消した。
扉にてをかけゆっくりと開ける。
「えっ?民家??」
辺りを見渡す。扉を開けるまで高峰に聳え立つ塔にいたはずなのに不似合いの民家らしき場所に三人は、立っている。
「おやおや迷ったか。」
宿屋に会ったおじいさんがマークスの前に近づいてきた。
「いや。私は、虹の賢者に会いに塔の中の扉を開けたはずだ。どうして民家に?」
「不思議なことならいくらでもあるぞジークフリードを持つ暗夜の勇者よ。」
「どうして私の持っ武器の名前を知っている何者!」
ジークフリードを抜きおじいさんに向ける。おじいさんのまわり煙が包む。煙が晴れると法衣を纏った美しい老人がマークスの前に現れた。
「これこれお年寄りの話を聞け。あの塔は、わし虹の賢者の元へ繋がるよう作ったものぞ。」
「貴方が虹の賢者だったのですか。では、力をお与えください。」
「力をか。もうとくに力なら与えておるぞ。」
「おぃじいさんなにいってる。さっさと力をよこせていってるんだ。」
「そなたは、塔に行ってから変わったことがなかったか。」
「言われてみれば心が軽くなったな。今なら国に帰れる気がしてきた。」
「暗夜の最強の騎士としての合う力を身につけておるぞ暗夜第一王子よ。」
暗夜の最強の騎士。マークスの胸に染み込
んでいく。
「少しジークフリードを見せてくれるか。」
言われた通りにみせると呪文のような言葉に続きジークフリードが紅を帯びる漆黒に塗り替えられていた。
「これでいい。ジークフリードを磨けたぞ。さぁ二番目の勇者が暗夜でまっておるお帰り。」
「父上以外に勇者がいるのですか?」
「うむ。一人目は、白夜王スメラギ。二人目は、若かりしガロン王。三人目は、名もなき騎士じゃ。」
「名もなき騎士とは、誰ですか?」
虹の賢者が口をつぐんだ。これ以上のことを話さないでいる。マークスは、虹の賢者にお礼を言うと暗夜王国へ帰っていた。
噂が本当だった。父は、後妻であり私からして義理の母である妃が亡くなってから人が変わったように白夜王を騙し討ちからはじめ無理矢理領土を広げていた。不満で反乱した国には、ひどい仕打ちをするようになった。私は、国のためにできることを探しつつも父のことに疑問抱きながらジークフリードを振り回した。
今は、暗夜と白夜ご無益に争わない道があることを信じカムイの元で白夜とともにいる。妻も出来ジークフリードのあやかをとって息子にジークベルドと名付けた。
「ジークベルドどうしたんだ。その贈り物の山は」
「シノノメと白夜の街へ繰り出したら知らない女性からお茶と和菓子をもらってしまって。」
「お面取ったあとはジークに女達が寄ってきてあれよあれよというまに渡され。ジーク女にモテるような。」
「シノノメ君も子供に好かれていたじゃないか。」
「ジークが女まくまで暇でガキと遊んでた
からな。なぁ好みな女いたか。」
「からかうなシノノメ君!父上どうですか白夜のお茶をしても。」
「あぁ。いただこう。シノノメもどうだ。」
「いいのかマークスさん。」
「あぁ。構わない。」
暗夜を離れ敬愛した父が気かがりじゃないと嘘になるものの。オロチの影響か白夜文化のおかげか。ジークベルドが白夜のお面をするようになってから笑う数が増えてきたことが親になったマークスにとって嬉しいことを噛み締めた。
終わり。