暗夜の皇太子殿下と竜神の嫁 短編。ジークベルトがカンナと添い寝をするお話です。少しジークベルトがラッキースケベです。
とっても平和な街。子どもが走り回り。子どもを連れて買い物に来た母親。子どもと遊ぶ父親。何気ない日常的な街。
ぐらっ。ジークベルトは、ぐらついた。違う地震!
「きゃー!」
「助けてくれ!」
街が揺れていた。街の近くにある山の岩が街目掛けて飛んできた。
ジークベルトの足に岩が降ってきた。岩を退かそうにも身体が前に倒れてしまい手が届かない。揺れが酷くなる。逃げ惑う街の人。助けて。助けて。助けて。
ふっと竜脈の気配を感じた。ジークベルトの目の前に竜脈が光っていた。発動すれば地震が止められるかもしれない。手を伸ばし竜脈に触れた。竜脈が光りジークベルトの体を包み込んだ。光が眩しく目を閉じた。
しばらくして揺れが収まり光を感じなくなりジークベルトは、目を開くと
「ここはどこなんだ。」
辺りを見渡すと見晴らしがよかった。発動した竜脈は、ジークベルトを移動させただけだった。かっと目を見開いた。
何故なら街が見えたから。多分ジークベルトがいたところ。土砂が崩れ街に落ちていく。二つは、これは人がいた。見慣れた金髪の暗夜王。その足に竜脈を発動していた。ジークベルトが声を限りに叫んだ。
「何をしているのです父上!竜脈から離れて!」
「邪魔をするな。」
父上に似た男が振り向いてジークベルトが驚いた。
「おじいさま?」
父上と似た男ー違う。肌の色が少し明るいガロン王。
「竜脈を使ってあの街だけに地震起こしているのでしょ!」
「ほぅ利発だな。そうだ竜脈の力を使ってしまえば竜脈が消える。そうして王族が殺した証拠は残らなくなる。」
「どうしてこんな鬼畜なことを国民を苦しめ‥‥」
「鬼畜?違う!わしはハイドラ神に代わりギュンターに罰をあたえているのだ。ハイドラ神の血を無下に断る傲慢を許さぬ。」
「人殺し!今すぐやめるんだ!」
「ならぬ。」
「やめるんだ!」
おじいさまの裾を掴む手が竜に変わっていた。
「お前はわしの孫か。わしが王族何かを教えてやろう。」
身体を持ち上げられた。竜の手でガロンの腕を引っ掻いてもびくっともしなかった。
「ぐぉ!!」
目に見えない速さで何かがガロン王に当たった。さらに何かがガロン王に追撃した。
「くどい!!」
ガロンが斧を振り回すも「何か」が当たらなかった。ぱぁぁぁと辺りが眩い光に包まれた。
「ぐぉ。目が!目が!」
ガタッガロンが足を滑らせて崖から落ちた。残ったのは竜の腕をしたジークベルトと光っててよく見えない「何か」。
「何か」が光りながらジークベルトの竜になった腕に飛び回った。しばらくすると腕が竜から人間に戻った。
「元に戻った!」
光が無くなると「何か」が見えた。それは、カンナの竜石だった。ジークベルトがカンナの竜石を掴んだ。
むにっ。
「??」
石のわりに柔らかい感触が手のひらにひろがった。
竜石が山のような大きさになればジークベルトの方へ転がった。
「わわっ!!来るな!来るな!」
パチッ!
「夢?」
夢だった。泊まりの部屋が見えた。
「くぅー。くぅー。」
カンナがまたベットを間違えてジークベルトの上に乗って眠っていた。首にさげている竜石もジークベルトの頬に当たっている。
「カンナおきな‥‥」
むにっ。右手に柔らかな感触があった。ジークベルトの右手にカンナの発展途上のお胸があった。
「んーん」
カンナの眼が開いた。
「カンナ違うんだこれは」
竜石をたらしながらカンナがジークベルトの近くに来た。
「エッチ。」
ジークベルトの肩に首を乗せるとカンナはまた眠りこけた。このまま起こすよりもカンナと眠ることにした。
「お爺様の夢を見たらその時はまた助けておくれよ。竜の姫」
今日だけはカンナと眠ることにした。左手でカンナの頭を撫でてジークベルトが眠りについた。