やっと見つけた。キャバッローネの部下を撒いてスクアーロは、一目散にへなちょこディーノに抱き抱えられている〇〇〇を見つけると走ってきた
「よぉ。〇〇〇。花嫁衣装なんてガキのくせに早いぞぉ。クリスマスツリーに飾るにはまだまだ小せぇのもみの樹じゃねぇか」
「お父さん来てくれたんだ。」
ディーノが〇〇〇を地面に降ろした。〇〇〇は、くるんと回った。
「ねぇ。私の花嫁衣装綺麗でしょ」
「・・・・・」
「ねぇってば」
スクアーロは、娘の晴れ姿に反応しない。
「おーとーうーさーん」
「あぁ。すごく綺麗だー」
「感情こもってないー」
小学生のうちに花嫁衣装なんて十年早いぜ。
コーン コーン コーン
教会の敷地に鐘の音が響いた。
「〇〇〇行こうぜ。結婚式の時間だぜ」
「うん」
〇〇〇スクアーロに背を向けディーノについて行く。
「スクアーロ駄目じゃない。〇〇〇ちゃんに綺麗だよって言ってあげなきゃ」
「ルッスーリア。いつの間にいやがた」
「〇〇〇がディーノに抱き抱えて散歩しているところからよ。それにしても〇〇〇がキャバッローネのボスに懐くのも頷けるわね。気さくで太陽のような笑顔が爽やかな子よね。」
「ルッスーリア テメェー」
「〇〇〇すごく綺麗だねお父さんは、嬉しいぜぇって言ってあげなきゃ」
「〇〇〇は、まだ6歳だぜぇ。ケツが二つ割っていねえうちからが花嫁衣装って・・・・」
「スクアーロこれ〇〇〇ちゃんに届けてきなさい」
スクアーロの右手にブーケを渡された。
カーネーションの紅 コスモス すみれの紫と白を花束にしたブーケ。
「キ・・・いで」
「スクアーロ?」
「ガキの分際で!花嫁なんざ百年はぇぜ!!」
スクアーロがキレた。ブーケを両手で抱えてディーノと〇〇〇が行った方に走った。
「〇〇〇ちゃん。成功よ」
「ディーノさん。お父さんがブーケ持ってくるよ」
ルッスーリアが無線で〇〇〇に連絡した。
楽しみだな。人に祝われる結婚式。本当は、ドレスを着たかった。子供サイズのピッタリなのは、あったんだけど裾を踏んで転んだんだよね。ディにぃが選んでくれたワンピース型の着ているウェディングドレス気に入ってる。
「お父さん。喜ばないのかな。娘の晴れ姿に綺麗だよとか お姫様みたいだぜぇって言って貰いたのに」
〇〇〇は、ハスキー声で口説く言葉を並べた。
「うぉぉぉおい」
結婚式をする教会の扉の前でディーノと父を待っていると 地響きがする大声がした。
「さぁ。スクアーロようやく来たか」
「うぉおい。〇〇〇ほらよ」
ブーケを無造作に〇〇〇に差し出す。
「これからって時に結婚なんぜはぇぜ。跳ね馬〇〇〇を幸せにしてやれよ 〇〇〇たまには、戻ってこい。何日泊まってもいい。無理だと感じたら逃げろよ。」
「お父さん。アレを言って」
「あー。綺麗だ。お母さんにも見せてやりたてぇぞ」
母親の写真をピランと〇〇〇に見せる。写真の母親は、微笑んでいる。
「お父さん。手を繋いで 新郎新婦は、仲人の手を引いて結婚式に入場する奴」
スクアーロが右手で〇〇〇の小さな手を繋いだ。