兄達とご飯の時間。
葉野菜の色が嫌い。芋虫を食べるものみたいで。
根野菜の固さが嫌い。固いし喉が通りにくい。
タクミがレオンの隣にいる兄に嫌いな野菜を皿に移し出された料理を食べる。
「こら!タクミ葉野菜食べなさい。」
「レオン白夜で食べれない野菜を残すな。」
「「やだ!それ食べたくないー」」
ユニゾンで弟王子が首を横にふる。
「マークスお兄ちゃん食べれば体にいいじゃない。」
「リョウマお兄ちゃんに食べさせたかったもん」
「育ち盛りがスキキライは、感心しない。ほら小さくすれば味がわからないぞ食べなさい。」
「やだよー。色がそのままだもんー。」
「タクミは、弱虫だなーそれは、芋虫じゃなくて野菜だって。」
「それならレオン根野菜食べれるな。」
「やだよ。それ固いししょぱい」
「筑前っていうだ。醤油で煮込んだサラダに火を通したものだ。」
口の前に食べ物を運んでも弟王子がそっぽを向く。子供になっている弟王子に兄達が苦戦する。
「僕トマトがよかったのにー。筑前なんてやだよー」
「大丈夫だ。ほら魚と一緒に食べればいい味がする。」
「やだ!いつもの肉とトマトがいい。」
タクミも口を固く閉ざしてさしだした葉野菜を食べようとしない。
「おやおや食堂は、にぎやかですな。」
ギュンターが食堂に入ってきた。
「あぁ。ギュンターか。今日もだ。」
マークスは、肩を竦める。こうして国を越えて同盟を組んでからというもの白夜の食べ物の美味しさに感動したことが高じて白夜の材料を使って料理もすることが楽しいと思えたものの。子供に戻った弟が好き嫌いをして食べようとしない時にギュンターが来てくれたことで助け船を出させようとした。
「なぁギュンターカムイの食管理したことがあるな。その時のこと話してくれないか。」
「フム。では、お話しましょう。ガロン王様からカムイ様の世話を王城の兵士である私に命じた時のこと」
ギュンターが色々話してくれた。その頃のカムイは、生気が日々奪われていた。食べ物も残飯だけでとっても食べれなかった。食べ物の融通を聞かせてくれないガロンは、あてもならず自治区にある料理屋で注文した食べ物持ち帰りカムイに食べさせて栄養をバランスをとらせた。
「カムイ様は、とっても育ち盛りで好き嫌いなく食べておりました。料理の興味をもったカムイ様に料理は、何から作るものなのかも教えながらお手伝いをされた時のカムイ様は、楽しいそうでした。」
ギュンターは、穏やかにカムイの食管理のこと話した。
「お姉ちゃんの作る料理は、みーんな鍋の味がして食べれないよー。」
和やかに話を聞いていたリョウマの顔に笑顔が引いた。ギュンターは、笑顔を崩さず続けた。
「カムイ様が料理を作る度によく私の真似をしているうちに私の味の出し方を覚えていったのです。家内にも味が不評でしたがカムイ様は、ギュンターの作る味が美味しいと言って召し上がっておりました。手料理を食べてくれる人が一人いても嬉しかったのです。」
カムイの料理の味の問題を作ったギュンターの話を聞いたリョウマは、暖かい気持ちになった。料理が苦手なギュンターがカムイのために食の工面をしてくれた。
「毎日カムイの世話をしながら食の管理をしてくれたことにギュンター感謝するぞ。」
「およしくださいませ。それよりほらレオン様が。」
おぼつかない箸で根野菜を口に運んだ。少し口に軟らかい醤油の味がいっぱいになった。
「ちゃんと食べれてレオンえらいぞ。」
「ちょお兄ちゃん頭撫でないで恥ずかしい。」
そっぽを向きつつ顔を赤くするレオンに構わずマークスは、頭撫でた。
「お姉ちゃん好きな食べ物食べてなかったでしょ。だったら僕色々食べてお姉ちゃんに自慢すればいいもん。」
「そうだな色々味を覚えてお姉ちゃんに美味しいもののあるところへ連れていけばカムイは、喜んでくれるな」
べた褒めするマークスとレオンの目線からをタクミに向ける。
「目を閉じてくれないか。なにもしない。」
タクミが言う通りにするとリョウマが口のなかにキャベツを運ばせた。タクミは、少し機嫌が悪かった。
「よく噛めば気にならなくなるから飲み込みなさい。」
多少強引にくちをつまみキャベツを飲み込むまで離さないでいた。
「お兄ちゃんのバカ。もう嫌いだ。」
「食べれたからよかったじゃないか。ほら金平糖をやろう。」
「リョウマ様なりません。嫌いな物を食べたからて甘いものをあげるのは、教育的に悪いですぞ。」
「少し甘やかすものだったか。タクミ遊んできてもいい。」
「金平糖は?」
「少し食休みしてからな。なにして遊ぶ」
タクミがべーと舌を出しギュンターに遊んでとせがみに駆け寄った。
続く。
ギュンターさんに色々子供に教える人にさせました。おじいさんの話の中にありがたいことがあるから。