マギーがSkypeに出てない間に、いつものメンバー+α組に小さな問題が起きてた。
いえ、当事者達には小さな問題じゃなくて、かなり大きい問題ね。
その事で檜とマギーが仲裁に彼等に呼び出された。
一旦はそれで終結したようだったけど、+α組はその場で納得した不利してただけ。
マギーに言わせれば、どちらにも良い顔してはっきりしない若い女性が問題だけど、
彼女を引っ張り回してる中年男性に、その男性を操ってる別の男性に、
全て責任があると考えるメンバーが殆どだったわ。
仲間に馴染めない+α組が、グループを分断させようとしてるって意見も。
この問題とは無関係の人達に経緯を訊かれても、マギーには応えるすべがない。
何故部外者がこの問題でどよめくの?
「心配なの」って言葉のなんと便利な事か!
何より、何故部外者がこの問題を知ってる野?
てか、ちょっと面白い事に気付いた。
こう言う問題じゃ、マギーも含めて同性は同性を責め、異性に見方するのね。
マギーも彼等と同じ年代の頃、あんな問題で悩んでたのかしら?
もうちょっと大人だった気がするけどな。
そして、この言葉をあの頃、母がマギーに言ってたよな。
昨日、緊急で補聴器屋へ。
一昨日、右耳が急に聞こえなくなったから。
細かい事はこの際無視して。
部品交換に八百円掛かっただけで助かりました。
その事で店員さんが申し訳なさそうに尋ねるんです。
もしもの場合をも想定してたから、ほっとしたってのが本音なんだけど。
たった八百円ごときで気遣われるなんて、それほどマギーが貧しく見えるのかな?
同行してくれた柏木には、マニュアルか店員さんの優しさだと言われたけどね。
同じような事が昔、京都であったな。
地理に不案内だった事と、夜遅くて帰りの電車の時間も気になって、
タクシーなんて滅多に利用した事のない母と、車を拾いました。
どう言う理由だったか今はもう忘れたけど、
料金が少し嵩むけど良いかって、運転手さんが訊いたの。
後で母が、そんなにマギー達親子はみすぼらしい格好してるんだなって苦笑い。
歯の検診日。
看護師さんのお母様は檜のマッサージを受けた事のある方。
待合室に戻って、その話を檜にしたの。
最近お目に掛かってないので、お元気かと檜は訊いてた。
元気かの前に「まだ」とうっかり付けちゃったって、帰り道に檜。
看護師さんは笑って受け流してくれたそうです。
てのも、マギーはそんな事に気付いてもいなかったの。
意外とこんな事あるよね。
何気ない言葉で、後で背筋が凍る思いした事、あなたにはない?
人の心も三寒四温なのね。
昨日までの幸福感が相手の何気ない一言で不幸の谷底に落ちる。
それは言い換えれば、マギーも知らないうちに相手を谷底に突き落としてるのよね。
今は季節も心も三寒四温。
暖かくなったり寒くなったりを繰り返しながら、
それでも必ず優しい春に届くのよ。
相手からの春を待たずに、マギーから相手に春を届けよう。
やっと、こう言う気持ちになれた。
良かったね、マギー。
真夜中に洗濯物を部屋干ししながら、そっと頬を濡らした物は、
もう少しで荒みかけたマギーを修正してくれたわ。
生きてる価値が自分にはない、と思う危ない一瞬だった。
もし誰からも必要とされてない、と泣きたくなったら、
あなた、こう考えてみてね。
あなたがあなたを必要としてるんだよ。