体育の授業中に児童12人熱中症か…学校で集団搬送相次ぐ、ほぼ全員マスク着用の学校も

6/8(水) 12:26
読売新聞オンライン

 8日午前10時35分頃、神戸市東灘区向洋町中の私立高羽六甲アイランド小学校から「授業中に子どもが体調を崩した」と119番があった。市消防局によると、体育の授業でリレーをしていた児童12人が頭痛や吐き気などの体調不良を訴え、うち6人が救急搬送された。多くが熱中症とみられ、1人は重症という。

 神戸地方気象台によると、神戸市の午前10時30分の気温は22度だった。

 今月に入って、学校で運動中に熱中症の疑いで生徒らが集団搬送されるケースが相次いでいる。

 大阪市中央区の大阪女学院中学・高校では2日、生徒約1300人が参加する体育大会が行われ、生徒29人と保護者1人の計30人が体調不良を訴え、救急搬送された。同校によると、ほぼ全員が参加する「応援合戦」の最中で、学校関係者は「応援合戦を含め、競技中はマスクを外すよう指導していた」と説明した。

 3日には、兵庫県尼崎市の市立立花中学校で体育大会の練習中、生徒22人が吐き気や頭痛などを訴え、病院に搬送された。約570人が行進の練習中だった。ほぼ全員がマスクを着用していたといい、同校は「十分な間隔を確保できないため、マスクを外すよう指導していなかった」とした。

 日本気象協会などによると、熱中症は体の水分や塩分が減って体温調節に欠かせない汗が正常にかけなくなり、体内にたまった熱を外に逃がせなくなって起こる。

 初期は、めまいや立ちくらみなどが表れ、筋肉のけいれんや吐き気などの症状が出ることもある。症状が出た場合、涼しい場所に移動したり、体を冷やしたりするほか、水分や塩分の補給も重要になる。

 高温多湿な環境でマスクを着用すれば熱中症のリスクが高まるため、厚生労働省は屋外で十分な距離が取れる時にはマスクを外すことを推奨している。