『お腹空いた』
「うん、でも食うの何もない」
『パスタでいいじゃん』
「ああ、いいね」
『ペペロンチーノでいいじゃん』
「いいね、簡単で。じゃあ作って」
『マジかwww』
『ねえ、鷹の爪ないよ』
「いや、あるから」
『ニンニク切らなきゃダメかなあ。ニンニクなくていいんじゃない?』
「鷹の爪もニンニクも入れないで何作る気だよwww」
なんかこうして連絡取ってると、なんかなあ。でも段々と思いは冷めていってるような。何とも言えない。きっとそろそろ仕事が終わってメールが来るはず。
あの人には会いたい。でもあの子と長期間いるのはあの子に悪い。私ががっつりみっちり働いていても。でもなんかもう、あの人に会いたいのかすらよくわからなくなってきたなあ。元々そういう好きとかじゃなかったし、今でもどうにかなりたいとは思わない。
とは言えやっぱり一緒にいたかったりもする。ただ顔だけ見るのもいい。同じ駅ですれ違うのもいい。むしろそういうのを望んでいるのかもしれない。
盛岡の街は怖い。もうだめだと思って帰ってきたのに、やっぱりそんなすぐに大丈夫にはならないほど住み慣れている。今はもう、また離れたくなっている。
盛岡も東京も、きっと仙台だって一人では暮らせないのだ。