兵庫県朝来市は国史跡・竹田城跡(和田山町)について、観光客の急増で地表面の傷みが激しいとして、7日から見学通路を一部変更し、これまで開放していた南千畳に新たに通路を設けて観光客の立ち入りを制限した。
さらに二の丸も見学スペースを以前より狭め、入場を規制している。

南千畳には観光客が写真撮影をしたり、ガイドの説明を受けたりする滞留スペースを確保した。
二の丸については「規制区域を広げたとしても、天守台や本丸、城下を見学でき、ガイドも十分できる」としている。

これまで立ち入り自由だったスペースが大幅に制限される措置について、市は「遺構を保全し、自然な竹田城跡の姿を取り戻すため」として協力を呼びかけている。
サクラの根の保護も行うことにしており、文化財保護と観光との両立を目指す。

市は昨年11月、観光客の転落事故をきっかけに天守台付近への入場を禁止。
今年3月20日の山開きに合わせて、幅2メートル、延長約700メートルの一方通行の見学通路を設置した。

7月には土砂流出による遺構の損傷を防ぐため、天守台に防水シートを敷くなど遺構保全と観光客の増加への対応に追われている。
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