頭の回転がわるくて、もっとスマートにごく普通に躱すことができていたら、変に期待をさせなかったし、これからも時々会ったりイベントに参加したりしてもらったりっていうこともあったのになと思うと、本当に本当にため息と自己嫌悪が止まらなくて。

今この瞬間にどんな顔でどんな羞恥や、もしかしたら怒りや後悔や、あらゆる種類のマイナスの感情を持っているかなと考えたら、本当に申し訳ないし、単純にいい思い出の対象としてお別れすることができなくなってしまったのが残念で仕方ない。

あの時スマートに、当たり前の顔をしていやいやって笑って流せていればよかったのに、そこを間違えたから、もうどうしようもなくなって、この後をどうしようとしか考えられなくなって。

考えてみたら、大好きで尊敬できる人を袖にする経験なんてこれまでなくて、況してや信じられないほどの年の差があって、未だに記憶を反芻する勇気もないわけで。
数年ぶりに号泣して。泣きながらああこんなに動揺していたのかと思って情けないし酷い後悔しかないし、やり直したいと思ってもどうしようもなくて仕方ないと諦めました。

ただ本当に、自分が馬鹿で、流されたからこんな酷いことになってしまって。もっとスマートな女性であれたなら、恥をかかせることも、期待させることも、なかったはずで。
私ごときが傷つけたなんて考えるのは烏滸がましいけれど、もしそうなら本当に申し訳ないことをしたと思って。
でもそれを面と向かってきちんと謝ることもできないなと思うと本当に申し訳ないし、後悔の念が消せないのです。

こんなに大好きなのに、尊敬して、これからも関わっていきたいなと思っていたのに。

どこで間違ったのかな、と。私はそんなに誤解させるような仕草や表情や言動をしていたかしらと考えても、本当に好きで尊敬していたのは間違いないし、それを隠すつもりも一切なかったけれど、だからと言って接近したりすることも、況してや直接好きなんて言うこともない。そばに居たら緊張するから、むしろ話せなかったくらいなもので。
その敬意や好意が誤解を招いたのだとしても、その感情はいま考えても否定できるものではなくて、今も好きだし尊敬しているし、じゃあどこで間違ったって考えたら、やっぱりあの時に、大人として受け流さなきゃいけなかったのだと思う。

ごめんなさい、ごめんなさい。本当に自己嫌悪しかないのです。こんなに尊敬していて、大好きなのに、なんでこんなことになったんだろうと考えても自分が悪いとしか思えないし、実際に間違いなく自分が悪いのです。
いろんなことを軽い気持ちで考え過ぎていたんだと思って。久しぶりに罰が当たるってこういうことだと思っています。

一年前からそうだと思っていて、一年前にも誘ってくれてたんだって。
一年前から、私からサインが来てるって思ってたんだって。でも心当たりがなくてね。でも、冗談でも変なことを、もちろん本人の前ではないけれど、言ったりしてしまってたから、あり得ない筈だったことが、あり得ないことじゃなくなっちゃったんだと思う。
だからやっぱり、私がどこかで思わせぶりで、昨晩のことは決定的にその思わせぶりが表出してぬか喜びをさせたのです。

自己嫌悪しかない。ごめんなさい。