高さ300メートルの日本一の超高層ビル「あべのハルカス」が7日に4年がかりの工事を終え全面開業した。3日間で46万人の来場があった。

あべのハルカスは近鉄百貨店、美術館、ホテルなどが入った大型商業施設。横浜ランドマークタワーを4メートル上回る地上300メートルの高さの展望台が売りだ。開業直後の来場客数は好調といえるが、大阪では近年、大型施設の開業が相次いでおり飽和状態。このペースをいつまで保てるか分からない。

宮本勝浩関西大学大学院教授は「大阪人は珍しいもの好きなので、一度は必ず足を運ぶでしょう。
しかしサイフのひもがとても固いのが特徴で『他で買うより安い』『ここでしか売っていない』などの商品がないと、なかなか購買につながらない。大阪の消費者をいかにつかむかが、今後のハルカスのカギでしょう」と指摘する。

大阪では、高級志向で"東京スタイル"の三越伊勢丹やグランフロント大阪などの商業施設が低迷している。
ハルカスも宮本教授が指摘するように"独自の強み"がないと、生き残るのは大変だろう。

一方、意外な"ハルカス特需"を受けているのが、浪速のシンボル・通天閣である。通天閣はあべのハルカスから約1キロ離れた場所にある高さ103メートルの観光塔。展望台の高さでは大きく負けているものの、ハルカスの開業以降、客足が好調だという。

「ハルカスが一番キレイに見えるのが、通天閣の展望台なんです。ある程度の高さがあり、ハルカスの斜めの位置なのでとても立体的に見える。全景が見える場所はなかなか他にないので、ハルカスをバックに写真を撮っていかれる方が多いんですよ」(通天閣観光副社長)

ハルカスの開業日には、高さ300メートルにかけて通天閣の展望台の入場料700円を同日限定で300円に設定。
通常の約1・5倍の入場客数があったという。

あべのハルカスが成功するには、通天閣のような商魂たくましさが必要なのは間違いなさそうだ。
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